梅雨入りで湿度は高いですが比較的雨が少なく過ごしやすいですね。
今月の有吉先生の伊勢物語は上巻の読みと解説がいよいよが完結です。
次回からは下巻に入ります。
展示は祇園祭関係の資料です。面白いのは山車(だし)の種類を描いた本で、鉾も松も悪いものを吸い取ってくれるというお話でした。
私の今月の品は「百万塔」です。
百万塔は天平宝字8年(764)におこった恵美押勝(えみのおしかつ)(藤原仲麻呂)の乱後の動乱を鎮めるため称徳天皇によって発願され、宝亀元年(770)に完成した100万基の小塔である。当初は大安寺や東大寺など十大寺に10万基づつ安置されたが、現在は法隆寺に伝来した4万数千基が残るにすぎず、それらも多くが寺外に所蔵されている。本品も法隆寺伝来の品。塔身部と相輪部に分解することができ、それぞれ轆轤挽(ろくろび)きし白色顔料が塗布されている。塔身部には3層めの屋蓋の頂上から真下に孔が削り込まれ、その中に陀羅尼経(だらにきょう)を1巻ずつ納め、相輪部の下端を孔に差し込んで蓋としている。(奈良国立博物館より引用)
〔百塔陀羅尼〕(ひゃくまんとうだらに)経」は 神護景雲4(770)刊で制作年代が明確な世界最古の印刷物。奈良時代の女帝、称徳天皇(718-770)の発願により作られた。延命、除災のための経典である無垢浄光陀羅尼経に説かれる根本陀羅尼、相輪陀羅尼、自心印陀羅尼、六度陀羅尼の四種の陀羅尼を印刷し、それぞれを百万基の小塔に納め法隆寺をはじめとする十大寺に分奉したといわれるが、今日残るのは法隆寺に伝来したものだけである。当館では根本陀羅尼、相輪陀羅尼、自心印陀羅尼と小塔を所蔵する。三重の小塔はろくろ挽きで、用材は塔身が檜、九輪は桂、桜など。塔の表面には白土が塗ってあったといわれる。経文の印刷方法については銅版説、木版説などあり、いまだ判明していない。
国立国会図書館より引用
百万塔の製作方法と明治以降の移動をお話しいたしました。
本物と昭和に写された2点をお持ちして比較検討して中に納めれらている世界最古の印刷物「根本陀羅尼経」もまじかに見ていただきました。
茶道では追善の茶会やお盆、お彼岸などの取り合わせにご使用できます。
それにしても奈良時代に100万基も製作するなんてすごいですね!
1300年あまり経た現在、4万数千基も残っていることもすごいですね!
百万塔を見ていると1300年の悠久の時が感じられます。