本日の鑑定品目の1点目は岡崎雪聲作の青銅觶(し)式花入です。
觶(し)は下方が丸く膨らんだ形の小型の飲酒用カップで中国古代の西周の頃に作られたものです。
この品はその觶をもとに岡崎雪聲が花入れを製作したものです。
岡崎雪聲(おかざき せっせい、嘉永7年(1854年) - 大正10年(1921年))は、明治から大正の鋳造師、彫金家です。
鋳金工芸家というよりは,むしろ鋳物師としての功績が大きく作品には「青銅鐘」(宮内庁蔵),「日本橋装飾獅子」(原型制作は渡辺長男)のほか,上野公園の「西郷隆盛像」,皇居前広場の「楠木正成像」など明治大正期の著名な銅像がある。後年,東京美術学校(東京芸大)の教授を務めました。
さすが雪聲、美しい曲線と造形ですね。
2点目は仁清銘の入った茶碗です。
呉器写しの茶碗で御本(鹿背)が所々に出て良い風情になっております。
残念ながら仁清本人作ではなく後の時代の京焼ですが良く使い込まれて大切にされてきた事が解る良い茶碗ですね。
世の中にある仁清銘の作品は残念ながら100%近く後の時代の品ですが銘にこだわらず良いものは大切に後世に残していきたいですね
先日終了しました東美アートフェアーの図録を配りまして今後毎月作品の解説をしていきたいと思います。
私の本日持参の品は、北村西望の作品で逸品作と大量生産品の違いを解説をいたしました。
来月も鑑定品お待ち致しております。